新年のご挨拶(令和3年)
靜かなお正月を迎える幸福に感謝致します。
世間は、毎日がコロナ騒動となっております。
高台の上から海を見渡し、十間四面のお堂を南北に連ね、
海からも街からも目標物にされています。
除夜の鐘は、街と海の安全を祈っています。
十年前の大津波は街を破壊し、道路も建物も海底に沈みました。
津波の引いた後には、家族や仲間の行方を探す人たちでいっぱいでした。
梵鐘の法音は、被災された方々を激励するものでした。
やがて力強く立ち上がり、復興の春を迎えました。
除夜の鐘の始まりは、奈良の大仏様がある東大寺の大梵鐘です。
気仙地方から採掘された金が、奈良に送られて奉納されました。
疫病、災厄、祟りなど疫神を防ぐために、聖武天皇と光明皇后は東大寺を建てられました。
全国に国分寺・国分尼寺を建立され、法華経全巻を納めました。
今、私たちはコロナによって大被害を受けています。
今回のお正月は、疫病に対し尽力している全ての人々を応援し、
神力を貸してくれることを願い、梵鐘を鳴らして疫病退散を祈りましょう。
人類には疫病を克服してきた歴史があります。
歴史を学び、新たな信心に目覚めましょう。
令和3年元旦 本増寺住職 木村勝行
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